第4章 ヴェニット
「どうぞ…適当にくつろいでて?」
リビングに入ると、ソファに座ってもらった。
俺はキッチンに入って、野菜ジュースを用意した。
「おーちゃん、これね、お取り寄せした…え…?」
おーちゃんはソファに座りながら、ぽろぽろぽろぽろ涙を零していた。
「どう…したの…?」
「相葉ちゃん…」
おーちゃんは手をぎゅっと握りしめて、俺を見上げた。
「俺…和也が好きみたいなんだ…」
「え…?」
それは、予想してたような…考えたくなかったような言葉で。
「そっか…そりゃ…また…」
野菜ジュースをローテーブルに置くと、どすんとおーちゃんの横に座った。
「あいつ…でっかい賞とったじゃん…?あん時はさ、ただ嬉しいだけだったけど…だんだん…時間が経つに連れて…不安になってきて…」
そのままおーちゃんは黙りこくってしまった。
…気持ちはわからないでもない。
ニノがアカデミー賞を取ったことで、俺達の間はちょっとずつ変化が起こってる。
ニノは次の映画に向けて、準備に入ってるし。
俺達との仕事も、必要最小限に抑えてる。
あの時とは違う…
ハリウッドに出て行った時とは…
何かが、変わってしまった。
もうニノは自分の可能性を抑えるようなことはしない。
それが俺たちにははっきりと分かったんだ…