第3章 チェリー・ポップ
心が荒んで、どうしようもなかった。
「あれっ…お前、嵐じゃね?」
一人で新宿の街を歩いている時だった。
「…人違いです…」
「あっ…やっぱり…殺センセーの声じゃん!」
「うわー!芸能人初めて見た!」
「まじで!?二宮!?本物じゃん!」
数人の高校生に囲まれた。
昔はこんなこと、よくあったんだけどな…
「あーあー、急いでるから…ごめんね」
そう言ってかいくぐろうとしたけど、前を塞がれて。
「ねえ、美玲ちゃん呼んでよ。電話番号しってるでしょ?」
なんだ?こいつら…
質が悪い奴らに捕まったな…
「なんだよ勿体ぶるなよ…芸能人だからってよ…」
嬲りたいだけなんだ…
ジュニアの先輩によくこんなんいたな。
まじ勘弁だよ。
「ごめんね。今。プライベートだから」
「はあ?」
「なに偉そうにしてんだよ。芸能人のくせに」
「俺達に媚び売って生活してんだろ?土下座しろよ」
何言ってんだ…?
「ちゃんと給料貰ってんだけど…?アンタたちからは貰ってねえよ」
「なんだと!?」
「働いたこともねえくせに、偉そうなこと言ってんじゃねえよ」
俺たちはプライベートまで切り売りして生きてんだ。
お前らみたいな子供に馬鹿にされる謂われはねえよ。
そう…一生懸命…やってんだよこっちは…
一生懸命…