第2章 グレイscene3
妻の中に俺を埋め込んでいく。
「あっ…あな、た…熱い…」
「お前の中も…熱い…」
汗をかく妻の額の髪を指でどけて、唇を落とす。
妻がふっと微笑むと、中が緩む。
その隙にまた腰を突き上げると、ぎゅっと中が締まる。
「あっ…あなた。もっと…」
「ああ…凄い…お前…」
妻の細い身体を抱きしめながら、ひたすら腰を突き上げる。
「愛してます…あなた…どこにも…行ってほしくない…」
「ああ…和…俺だって…」
細い腕が俺の背中を抱きしめる。
「雅紀…お願い…行かないで…」
「和也…」
ぎゅっと抱きしめると、和の身体の奥深くを抉るように穿った。
「ああっ…あなたっ…」
妻の身体が宙に浮くと、その白濁が俺たちの腹を濡らした。
同時に妻の身体の奥深く、俺は自分の種を放った。
「あなた…」
「おまえ…」
ぎゅっと抱きしめあうと、またはらはらと黒目がちの瞳から涙が零れた。
「きっと…帰ってくる…」
「はい…待って…おります…」
翌朝、私の夫は戦地へ旅立っていった。
私は翔に助けられながら、なんとか家を守った。
奇跡的に何度もあった空襲からは免れて、家もそのまま残すことができた。
時折来る、南方からの手紙も度重なる空襲があってからは届かなくなった。
国内の郵便事情のせいなのか、それとも南方の戦況が思わしくないからなのかは、私みたいな女にはわからなかった。
「相葉さん、卵置いておくわよ」
裏のおばさんが今日も卵を差し入れてくれる。
「あ、おばさん。いつもすいません。あ、今日はおいものふかしたのが…うっ…」
「相葉さん!?」
裏庭に思わず吐いてしまった。
おばさんに背中を擦られながら、涙が出るほど苦しかった。
「相葉さん…もしかしておめでたなんじゃ…」
「え…?」
裏のおばさんは産婆さんだったから、すぐに医者を呼んで診立ててくれた。
「おめでたですね…四ヶ月ほどでしょうか…」
そう言って医師はにこにこと笑った。
「ほんとに…?うそ…」
潤を産んでから、流産の連続だった。
「雅紀さんに知らせなきゃ…」
最後に届いた手紙の宿営地に手紙を書いた。
でもそれは、帰ってきてしまった。