夢幻回廊【裏夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニス】
第5章 月と太陽(亜久津仁)完結
-亜久津side-
ありえない。
ありえる筈なんかなかった。
俺がアイツを好きになるなんて
忘れるなんて許さねぇ
他の男とジャレる姿なんか
見たくもねぇ
ただ今更 言える訳がない
好きだ なんて
そんな俺に出来る事といえば
悪態ついて突き放すこと位
さっき太一のアイツ…いや
姫凪への気持ちを知った時
自分の気持ちに気付いた
そうなると厄介で
姫凪の周りの全ての男に
嫉妬してしまう
「亜久津~伴じぃが部活に
出て欲しがってよ~」
千石が俺に話しかけてきた
コイツにさえイラ付く始末
「指図すんな」
「お願いだって~♪大会近いし~
伴じぃ必死なんだって~(笑)」
「気が向いたらな」
なんて言ったものの
行く気はなかった。そこへ
『お兄ちゃん!これ見て~!
テニス占いとか見つけた!』
飛び込んできた姫凪
不覚にもドキッとする
「へぇ~♪見せて~」
千石が姫凪の肩に
手を置いて雑誌を覗く
兄妹でもムカつく…
姫凪が視線に気付いて
『先輩のも調べましょうか?』
なんて声を掛けてきた
緊張のせいか声がうわずる
「いらねぇ。それより…」
「姫凪~もうすぐ休み時間
終わるよ?」
千石に話を遮られた
「え?もう?じゃあ後で!部活応援に
行くからね☆…あ、じゃぁ…
亜久津先輩…バイバイです」
俺にペコリと頭を下げて
慌てて教室から出て行った
それを見届けた千石が
「ねー亜久津、うちの妹に
チョッカイ出さないでよ?」
俺に言った
「うっせぇな、出してねぇよ」
「ま、そうだよね~あんな事して
今更手を出したりなんて
ありえないよね~?なら、いっか」
千石の言葉が耳に痛い
後悔が胸を締め付ける
確かに今更だ
自分の女にしたいなんて
虫が良すぎるとは思う
でもどうしても譲りたくねぇ
チャント話さなきゃいけない
そう思って、出たくもなかった
部活に顔を出すことにした