• テキストサイズ

ヘブンズシュガーⅠ【気象系BL小説】

第12章 悪徳の花


手首の戒めを解くと、汗で貼り付いた髪をかき分けてやる。


その時、俺の中に暗い衝動が起こった。


”こいつを利用すれば、この闇からでられるんじゃないか”


プログラマーなんてやるよりも、いい生活が送れるんじゃないか…?


幸い、この坊っちゃんは俺に惚れている。


このチャンス…利用しない手はないんじゃないか…?


この櫻井病院で、登りつめることができるんじゃないか?




櫻井医師の目がうっすらと開いた。


「あ…」


俺の姿を認めると、羞恥で身を縮めた。


「どうしたの…?翔センセ…」


甘い声で囁くと、俺を恐る恐る見上げた。


「ごめんね…こんな乱暴なことして…」


綺麗で真っ直ぐな瞳で俺を見上げてくる。


「好きだから…こんなことしたんだ…ごめんね…」


頬を撫でると、瞳から涙がこぼれ落ちた。


「ほんと…?」


「本当だよ…まさか、好きって言って貰えるとは思わなくて…」


その赤い唇に、キスを落とした。


「好きだよ…翔…」


「二宮くん…」



俺は…


這い上がってやるんだ。


こんな真っ暗なところから。


抜けだしてやるんだ。


櫻井医師の手を引き寄せて、抱きしめた。




「俺のものになってくれる?翔…」




甘く囁くと、櫻井医師の身体から力が抜けた。








悪徳の花、咲かせてやるよ








【つづく】
/ 771ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp