第13章 一月一日【薄桜鬼/ドリフターズ】
「……ごめんなさい。」
「はぁ?」
唐突なからの謝罪に俺は間抜けな声を上げる。
「後悔…されているんでしょ?
私に子種を授けた事。」
「後悔か……。
してねえって言ったら嘘になるな。」
不安に揺れていたの目がそっと伏せられ、何故かその後笑顔を浮かべた。
「大丈夫です。
歳さんにご迷惑はお掛けしません。
私が一人でちゃんと育ててみせますから。」
「馬ーー鹿。」
俺の指がの鼻を摘まむ。
「俺が後悔してんのは、お前を大事に抱いてやれなかった事だ。
自分の薄汚い欲望に負けたのが情けねえんだよ。」
「……歳さん。」
「それにガキが生まれりゃ俺の子だ。
それを育てるなんて面白え事、お前が独り占めしようなんて狡いぞ。」
俺を見上げるの目にじわじわと涙が溜まって行く。
本当に良い女だな……此奴は。
を手放すなんて最初っから出来る訳が無かったんだ。
そんな事に今更気付くなんて、自分の馬鹿さ加減にとことん呆れちまう。