第20章 グレイ scene2
「ねー!これ差し入れ頂いたんだけどさー。賞味期限今日だから食べない?」
雅紀がリビングに箱を持って入ってきた。
「いいよー。ちょうど10時だし、おやつにしようよ」
翔ちゃんが台所に立った。
日曜日の午前中。
俺たちは家で、のんびりと過ごしていた。
これから過酷な期間が始まるから…
俺と潤はドラマの撮影。
雅紀もレギュラーが更に一本増える。
和也も映画のプロモで全国を飛び回る。
そしてアリーナツアー。
皆が忙しい時期に入るから、今日くらいは5人でのんびり。
だって、この家のセキュリティーは完璧だしね。
事務所の関係者以外、誰もしらない隠れ家だし。
俺達の、楽園なんだ…
「雅紀ー!そのいただき物、中身なに?」
翔ちゃんが台所から顔だけだす。
「えっとねー」
そう言って雅紀は箱を開けた。
中に入ってる紙をまじまじと見た。
「いちごの入ったおもち?だって」
「わかった。じゃあ緑茶がいいね」
そう言ってまた台所に引っ込んだ。
「あー、ちょっと潤、起きろよ!」
潤は台本を顔に被せてソファーで伸びてる。
それを雅紀は起き上がらせて、ソファに座った。
「智?」
リビングの扉を開けて、和也が入ってきた。