第20章 グレイ scene2
「潤……?」
「なあに…?」
「愛してるよ…」
「うん…俺も。愛してる…」
翔くんは身体を離すと、そっと俺の手の甲にキスをしてくれた。
「お前が忘れるまで、何回だってこうしてやるからな」
「…もう、忘れた…」
翔くんはやっと微笑むと、そっとまた、俺を抱きしめてくれた。
「翔くん…」
「ん?」
「わがまま言っていい…?」
「…いいよ」
「指輪、ちょうだい?」
ダメ元で言ってみた。
いつも翔くんがしてる指輪。
昔、メンバーへのプレゼントを買いに入った宝石店で見つけたもので、翔くん一人で買ってしまった指輪。
あの時、俺は盛大に膨れたけど、翔くんはその意味がわかってなかったっけ。
もう何年も翔くんが肌身離さずつけているこの指輪を、身につけたかった。
結婚指輪ってわけじゃないけど…
「…いいよ」
翔くんは指輪をとって、俺の左手の薬指につけてくれた。
「え…?本当にいいの?っていうか、サイズ…ピッタリ…」
「…なんでこんな時に言うんだよ…もう…」
翔くんは真っ赤になって横を向いてしまった。
「潤があの時すげー怒った理由が、今になってわかったんだよ!だからそれ…潤のだから…」
「え…?」
「潤のために、同じもの作ってもらったの!」
最後は叫ぶように言うと、頭を抱えてしまった。
「ごめん…気づかなくて…潤…」
「え…ほんとに…?翔くん、俺に指輪、作ってくれたの?」
「ああ…」
消えいりそうな声を出した。
「なんでこんな時に渡すことになるんだよ…もう…」
「翔くん…」
「えっ!?潤!?泣くなよ!」
「だあってぇ…嬉しいんだもん…」
「ああ…もう…」
翔くんはまた俺を腕に抱きしめてくれた。
「なんてかわいいんだよ…お前は…」
心底愛おしいって声が聞こえて、俺の身体はぶるっと震えた。
「翔くん…」
見上げた顔は男らしく微笑んで、俺を見ていた。
翔くん…大好き…
俺の最後の、恋人…
【END】