第20章 グレイ scene2
蒸し蒸しと暑いはずが、なんか涼しい8月のある夜だった。
「ねえねえ、和也!」
「なぁんだよ…」
相変わらず天邪鬼な俺の恋人は、ソファに寝転がってテレビを見てる。
「今日ねえ、松潤からこんなの借りたの!」
「は?」
「じゃーん!」
俺は手に持っていた黒猫のコスプレセットを、和也に見せた。
「…は?」
猫耳のカチューシャ、布ブラジャー、長い尻尾のついたパンツ。
そして肘の中ぐらいまである、肉球つきの手袋と、ヒザ下まである肉球つきの靴下。
全部黒いぽあぽあがついてる。
そして鈴付の黒いチョーカー。
「なにこれ。アンタ着たいわけ?」
にやりと和也が笑う。
「ううん!これね、和也に着てほしいの!」
「はぁっ!?」
「松潤ね、彼女に着せたみたいなんだけど、俺と和也だったらさ、和也のほうが彼女っぽいじゃん?見た目がさ!」
注:翔くんと潤が付き合ってることは、雅紀は知りません。
「な…なにいってんの…おまえ…」
和也はドン引きした顔をして、またテレビに向き直った。
最近俺に飽きている。
ならばこっちからいってやろうじゃないの。
片思い歴、10年以上。
舐めんなよ!?