第20章 グレイ scene2
「ふぁ~…食った…飲んだ…」
楽屋にバタバタとニノが入ってくるのを、俺達は身を潜めて待っていた。
ここは新高輪プリンスホテル。
楽屋代わりのホテルの客室だ。
「あ、まねーじゃー、じゅーしゅ飲みたい。買ってきて?」
マネージャーが部屋から出て行くと、ニノはむふむふと一人笑い出した。
「皆、悦んでくれるかなぁ~…」
にやにやしながらブロンズ像を眺めている。
アカデミー賞の授賞式の後、パーティーがあって、ニノはもう酔っ払っていた。
こうなることがわかっていたから、俺達はわざわざ…
トントンと楽屋がわりの部屋をノックする音。
「はぁ~い」
ニノがふらふらしながら、ドアを開ける。
「よ、ニノ」
入ってきたのは翔くんだった。
「あ…れ?どうしたの?」
「ふふ…お祝い言いたくなって来たんだよ」
翔くんが俺達の方をチラっと見るのを合図に、俺達は立ちあがった。
「「「ニノおめでとー!」」」
「わあっ…びっくりしたあっ‥」
タキシードの胸を押さえて、ニノは可憐に驚いた。
「わ…大野さんも潤も相葉さんも…皆、来てくれたの?」
お酒で赤くなってる頬を、更に赤くして、目を潤ませてる。
「そうだよ…一番にお祝いが言いたかったからね…」
そういうと翔くんは、後ろ手に鍵を閉めて、部屋の灯りを落とした。
「え…?」
急ごしらえの鏡前の灯りだけが、部屋のなかを照らしてる。