• テキストサイズ

カラフルⅡ【気象系BL小説】

第14章 檸檬


「にーの…」


「だからさ、安心して留学でもNASAでも行っちまえ!」


ぎゅううっとカズヤを抱きしめた。


安心しろ。


俺たちはどこにも行かないよ。


お前の居場所空けて待ってるよ。


いつでも、どんなときでも。


「うぅぅ…にーのぉっ…」


ぐしゃぐしゃの顔をしながら、俺の顔を覗き込んだ。


「俺をにーのの子供にしてよ…」


「カズヤ…」


「子供になる…にーのの…」


「いいよ…」


そのまま俺たちはずっと抱き合った。


雨がフロントガラスを打ち付けていく。


土砂降りの中、カズヤは気が済むまで泣いた。


泣いて、泣いて、泣いた。


「…にーの…」


「ん?」


「俺、留学する」


「…そっか…」


それはわかっていたことだった。


カズヤの夢の叶う場所。


そこに近づくためには必要なことだって、みんなわかってたことだった。


「いっておいで…カズヤ…」


「うん…行ってくる…」


急に雨があがって、陽の光が車内に差した。


「まぶし…」


外を見るカズヤの顔に、明るい光があたって、とても綺麗だった。


初めて会ったときのように、汚れなく無垢な子供に見えた。

/ 1015ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp