第11章 ハニー・スイート
「おい、ニノ」
後ろから呼びかけられる。
「んー?」
俺はゲームから目を離さないようにする。
「こっちむけよ。人が喋ってんのに…」
ああ、こいつほんっとにこういうとこめんどくさい。
「なあんですかぁ?」
ソファに凭れて見上げてやった。
「わっ…」
案外近くに濃い顔があった。
「びっ…びっくりした…」
ソファの背もたれに腕を載せて、座り込んでる。
「あのさ。ニノのソロんとこなんだけどさ…」
相変わらず真面目で。
チャラチャラしてるくせに、一生懸命でさ…
応援したくなるじゃん…
頑張れよって言ってやりたくなるじゃん…
この俺がよ…?
柄じゃないっていうの。
「…わかった。やってみる」
「ほんと!?ありがと!ニノ!」
がばっと後ろから抱きつかれた。
「あっ…やめろよっ…」
潤の髪の毛が首筋にかかる。
「んっ…」
「どうした?」
「な、なんでもないっ」
危ない…
「とにかくやってみるからさ。話はそれだけ?」
「あ、うん。わりぃな。ゲームの邪魔して」
「ああ…ほんとだよ…」
そう言ってゲームの画面に目を戻した。
後ろでくすって笑い声が聞こえたから、見上げたけど。
見えたのは背中だけ。