第9章 きみどり scene4
「かずっ!かずっ!」
「え?」
ふたりきりになった楽屋で、智がきらきらした目を向けてきた。
「あの先生がいれば、えっちしすぎても大丈夫だねっ!」
「は?」
「いや~…相葉ちゃん、いい先生紹介してくれたよ…」
ひとりで悦に入ってる智を残して、楽屋を出た。
「あっ?あれ?かず?」
おまぬけな声が聞こえるけど、知らない。
もうっ…智のばかっ
えっちのことしか考えてないんじゃないの…?
俺といたって、そればっかじゃん…
もう、家。
出ようかな…
なんだか涙が出てくる。
俺達って、それだけの関係なの…?
もっと一緒にいて、笑い合ったり。
そういうこと、したいのに…
なんで…
「かず…」
後ろで声がした。
腰に無理をかけないよう、でも精一杯早足で歩いてくる智が居た。
一生懸命、俺を見ながら歩いてくる。
思わず歩みを止めた。
「かず…ごめん…」
手首を握られて、すぐそこにある空いてる楽屋に押し込められた。
「ごめん…怒ったよね?」
「なんで…?」
理由がわかってないのに謝られても嬉しくない…