第7章 虫襖-ムシアオ-
しばらく、そのまま動けずに居た。
収録は終わってしまってるから、時間を気にすることもない。
好きなだけ、床に突っ伏していた。
気がついたら少し寝てたみたいで。
目が覚めたら、目の前に誰かの足があった。
見覚えのある靴。
見上げると、大野さんが立ってた。
「ニノ…」
にっこりと俺を見て微笑んだ。
「ホントに一人になっちゃったね」
「え…?」
「俺、待ってたんだ」
しゃがんで俺の頬を手で包み込んだ。
「お前がひとりきりになるの」
そういうと、怖いくらいの微笑み。
「ずーっと待ってた」
頬を包む手を引き寄せて、大野さんの薄い唇が、俺の口を塞いだ。
「好きだよ…ニノ…」
俺は、そのぬくもりにしがみついた。
「あ…あ…大野さんっ…」
「淋しかったね…ニノ…」
「大野さんっ…抱いてっ…」
「うん…ずっと、抱いてあげる」
「離さないでっ…」
「離さないよ…」
「俺を…汚して…」
「たくさん…汚してあげる…」
大野さんの手が俺を引き寄せ、ぎゅうっと抱きしめた。
雅紀の掛けてくれた上着がずるりと落ちた。