第20章 お菓子は目分量で作ってはいけない
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妙「あら、二人ともそんなびしょ濡れでどうしたの!?」
新八「ちょっといろいろあって。姉上、今晩天音さんをここに泊めてあげてください。」
妙「私は別に構わないけど…」
家に着くなりお妙は二人の異様な姿を見て目を丸くした。きっと銀時と何かあったのだろうとすぐに分かった。お妙はすぐさま二人を家の中に連れ込み服を着替えるように催促した。着替えが無い#NAME1には自分の着物を貸して適当な部屋で着替え終えるまで待った。
『ごめんなさいいきなり押し掛けた上に着物まで貸してもらっちゃって。』
妙「そんな事気にしなくていいのよ。風邪なんか引いたら大変。それこそ私が銀さんに怒られちゃうわ。」
天音は銀時の名前が出る度に表情が暗くなっていた。ただでさえしんみりしているのに余計に空気は重くなり、お妙はまた別の話を振った。
妙「あ、そういえば、その着物もう返さなくていいわよ。」
『え、駄目ですよ返します!』
妙「いいのよ、私のお古なんかで悪いけど。」
『でも…』
断り続ける天音だったが、女の子なんだから服のバリエーションも増やさないとと言われ渋々ありがたく頂戴する事にした。着替えを終え居間に向かうと、そこには既に着替えを終えた新八が座布団の上に腰を下ろしていた。