第53章 1日目 《MC》 1
櫻井視点
ニノの様子がおかしい 智くんもそれに気づいている。
O「だから 逆に飲んじゃえば ㇸでもないじゃん?」
クッと口角を上げ 笑いにしようとしている。
『逆にって、なんの逆よ!』
俺もオーバーリアクションを取って 話を変えようとした。
N『みんなも すごい汗かいてるもんね』
汗をぬぐいながら周りを見回すニノ。
O『飲んじゃえよ』
オフザケな行動を取る智くん。
(あれ? もしかして オフザケ中?)
N『もう!!』
思いっきり鬱陶しそうなニノの声。
『それより 翔さん! 翔さんは?いかがですか?』
ニノが真顔で俺の方を向く。
「お!あ うん 進めるのね」
マイクを口に近づけて
『野外っていう意味では国立競技場とかでやらせていただいていますけど、
会場の奥に、海が見えて、ヤシの木が見えて、絵葉書みたい』
海の方を指さす。
N「そうだね」
穏やかな返事をするニノ。
A「ねぇ」
O「キレイだねぇ」
雅紀が智くんと肩を並べて見ている。
(オフザケは終わりましたかな?)
『こんなところでコンサートできるだなんて、ほんと…驚きですよねぇ』
大きく胸を張ってほほ笑む。
ニノが満足したような顔でほほ笑んだ。
(MCは引き取ります)
『松本さん、いかがですか?』
松潤の方に向く。
M『最高に楽しいです』
マイクを口に近づけ一歩前に出る。
M『正直ね、9月15日の結成のタイミングでは
あんまり15年経ったっていう印象がなかったんですよ』
(うんうん 忙しそうだったもんね…)
M『今日、頭出てきたときに、A・RA・SHIを歌っている時に15年経った感じがしました』
ニカッと笑顔になる潤。
『15年経つと、スケスケの衣装から、ヘリコプターで登場ですから!』
空を指さす。
M『ハワイまで来てスケスケ着ていたら、今は恥ずかしい』
両手を胸の前でクロスして恥じらう潤。
『いやいや、昨日の雨のリハーサルだったら、スケスケだったら良かったよ』
A『そうだよ。
昨日、カッパがないからゴミ袋かぶってやっていたんだもん!』
手で袋の形を作って被るジェスチャーをする雅紀。
『黒いゴミ袋ね』
ねーっと頭を雅紀の方に倒す。
N『ドットコム製ですよぉ』
雅紀に向かって両人差し指を向けるニノ。