第52章 嵐 コンサート 中盤
藤渕視点
翁{宮…宮だとぉ この儂より 先に宮を構えおってぇぇ}
翁の顔が憤怒していく。
≪桟敷で抗争はお控えください≫
三鈷剣の剣柄を握る。
(もちろん 剣を抜くことはしない 威嚇だ)
{おおぉあにさぁま}
空五倍子色の着物を来た少年が 翁の袍を引っ張る
翁{おぉぉ 帰ろう}
怒りが嘘のように 何事もなかったように 我々の前から消えて行った。
(少年はなぜ 嵐の宴に?)
宮{な 何という事だ}
宮様が肩を小刻みに震わせ 幼子に戻った。
浜地「チーフ 嵐が心配です 少し席を離れます」
浜地が幼子に戻った宮様を支えながらこちらを見ている。
「ああ 行ってこい 宮さまは俺が見ているから」
浜地「よろしくお願いします」
浜地が桟敷間から離れていく。
宮{ぶっち}
弱弱しく手を伸ばしてきた。
≪はい お傍においります≫
その手をそっと包み声をかける。
宮{カズナリを カズナリを探してくれ…アイツは 我に近づきすぎた}
大粒の涙を流す宮さま。
(浜地 急げ おおごとになる前に)