第1章 ファンタジー、だからね?
そんな、人望もあり仕事もできる社長に恋心を抱く社員も少なくない。その手の噂もたまに耳にするくらい。実際、私も密かにその1人。だけど、社内で一番仲の良い友人にすら私は話していない。
信頼してないとかではなくて、こんな気持ちを抱いていても、その前に私はオフィス遊佐浩二の社員だから。友人、ましてや同じ社員に話してしまうことで、社長との関わり方が自分の中で変わってしまいそうで。
【変化を恐れない】
これも、社長が以前の全体会議で仰っていたことだけど、さすがに私もこれは恐れる。
仮に告白して、お断りされてもこの会社を辞めるなんて無責任なことはしないけれど。
そんなことを考えながらデスクに座る。
早速パソコンを立ち上げ、社内メールの確認をすると、ちょうど1通メールがきていた。
送り主を確認した瞬間、私の心臓がドクンと跳ねるような感覚が私を襲った。
(...社長から。)
題名は社長のいつも掛ける言葉、オツカレ!だ。
題名 オツカレ!
From 社長
オツカレ!今日の業務が終わった後、社長室に来るように。
直々に話したいことがある。
じゃ、今日もよろしく頼む。
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