第52章 初恋苦し（北信介）完結

あ～！もう！
最悪やん！
とりあえず早い事
整えてコンビニで差し入れ買って
ほんでから…

パニックになる私の頭を

「姫凪～！
お迎えに来てくれたでー！
早く降りて来なさい！」

更に掻き乱す
お母さんの声

お迎え？誰が！？
って…昨日の今日やと…

「ちょっと、アンタ！
あの子、アレやろ
バレーの大会出とった！
アンタがカッコええって
毎日言うとった子ぉ！
早よ言ぃな！
水臭い子やわぁ！」

あ、あ、あつむしか居らんやん！

なんで！？
いや、嬉しいけど
なんで今日、今、来るん！？

ドスッピンやし
寝間着やし
髪の毛爆発やし
とても会える状態ちゃうやん

とりあえず先に行ってと
伝えて貰おうと
ソーッと開けたドアが

「なにしとん？
行くで、姫凪」

強引にこじ開けられた

『侑！アカン！
見んといて！
今日、寝坊してもて
見れたモンちゃうから！』

慌てて閉めようとするも

「もう遅いやろ
バッチリ見てもーたし」

力で勝てるわけはない