一夜の幻【夢専用✣ハイキュー!!✣弱ペダ✣テニプリ】
第52章 初恋苦し(北信介)完結
「早よ帰るで
送ったるから
サッサと歩きぃ」
寄り添わず
縮まらないのが
当然の距離に
少しだけチクッと疼いた胸に
知らんぷりを決め込んで
家までの道を歩いた
「ほなな
また明日もおいで
待っとるよ」
家の前
それだけ言って
背中を向け去っていく
ただの先輩後輩で
私は後輩の彼女
アッサリしてるのが
当たり前やのに
『…ドライ過ぎるやん、北さん…』
なんやろ、このモヤモヤ。
『…変なの!
なんで落ち込まなアカンの
私は侑の彼女やのに!』
侑に電話して
さっきの事謝らな
そう思ってるのに
携帯に伸びない手
なんでやろ
昨日のこの時間までは
何をしてても
侑の事ばっかり
考えて
意味ないメッセージでも
内容のない電話でも
したくて堪らんかったのに…な。
結局何も送らないまま
私の一日が過ぎて行き
『お弁当…作られへんかった…』
まさかの朝寝坊
空っぽのお弁当箱
グチャグチャの髪の毛
到底朝練に顔を出せる
状態じゃない