第22章 特別短編 愛してるよっ
「だったら、その金…翔や和也に使ってやれよ…俺が使うのは筋じゃねえよ」
「その二宮さんが、松本さんに使ってくれって言うんです」
「…は?」
「もしも松本さんがお使いにならないのなら、あの金は…回り回って警察のものになります」
「はあ!?」
「どうせ無駄な金になるんです。だったら…どんな金だろうと、松本さんが歩けるようになるのに使ったほうが、有意義じゃありませんか…?」
潤はぐっと詰まって黙り込んだ。
「だったら…和也の足…直してやれよ…」
「二宮さんは…それよりも松本さんを優先してくれと。そう言われました」
「あいつ…どこまでお人好しなんだよ…」
「潤…俺からも、頼む…」
雅紀が潤に近寄った。
「俺がこれ以上金を出すのが嫌だっていうなら、これしか方法ないだろ?」
「でも…俺が使える筋の金じゃねえよ…」
泣きそうになりながら、なおも潤は否定する。
「お前…智としあわせになりたくないのか」
「え…」
「そりゃ、今だって智はしあわせかもしれないよ?だけど、お前と一緒に人生歩いて行くんなら、お前の両足が動いたほうが、もっとしあわせにしてやれんじゃねえの?」
潤は俺の顔を見た。