第1章 A×S【不規則な】session 1
だけど、メッセージの返信は
きていなくて。
…忙しいんだ。
私立の名門校だから、
俺みたいに暇じゃないんだ。
そうやって自分に言い聞かせて
泣きたくなるのを堪えた。
「…はぁ。」
また、会いたい。
前みたいに笑え合えたら
どんなに幸せなんだろうか。
彼女、できちゃったかな。
それとも…彼氏?
翔ちゃんに限って
彼氏なんて有り得ないか。
もう少し…早く気持ちを伝えていれば
なにか変わっていたかもしれない。
俺の隣には翔ちゃんが
笑って座っていたかもしれない。
…どうして……。
もっと早く伝えなかったんだろう。
自分を恨んで恨んで恨んで。
恨んでもまだ足りなくて。
でも、自分を恨んだって呪んだって
何一つ変わらなくて。
翔ちゃんは戻ってこなくて。
期待していたんだ。
『雅紀と遊びたい』
って言われることを。
翔ちゃん……。
今、誰と一緒にいるの?
どこにいるの?
誰を……想っているの?