第1章 A×S【不規則な】session 1
雅紀とどうなりたいか。
それは全くわからない。
そもそも、恋愛自体よく分からない。
相手の機嫌を取るのが恋愛?
相手に合わせるのが恋愛?
恋愛って…なんなんだろう。
男と女が付き合うことが恋愛なら、
男と男が付き合うことは…?
それも恋愛?
ひとつの恋愛としていいのか?
俺には全く理解できない。
うん。そのことを考えるのは
もうやめにしよう。
遊びたいか遊びたくないか、
選択はその二つ。
なら俺は、遊びたい方を選ぶ。
『遅れてごめん。雅紀、ひさしぶり。
遊びに誘ってくれてありがとう。
暇だからいいよ。
翔』
…と。
これでよし。
でもなかなか
送信ボタンが押せなくて。
…なんで?
「…ええいっ!」
意を決して俺は
送信ボタンを押した。
…すぐには、返ってこないかな。
そうだ。
また小テストがあるんだから
テスト勉強位しておかないと…。
俺はスマホの電源を落として
机に向かった。