• テキストサイズ

廻る世界の片隅で【Dグレ短編集】

第5章 ◇8/10Birthday(ラビ)



 ラビの表情はどことなく気になったが、それ以上に気にかかるのは南の体。
 このまま固い机で寝かせ続けるのはよくない。


「とりあえず、もう休みだし仮眠室に運ぼうと思ってな」

「……いや、」


 再びその肩に手を伸ばせば、素早く手首を掴まれた。


「休みなら南の部屋に連れてく。其処で寝かせた方がいいさ」


 俺の手首を掴んだのはラビの手。
 真っ直ぐに俺を見てくる顔は、真面目なものだった。


「オレが運ぶから」


 一瞬躊躇したが、その真剣な顔には反論する理由なんて見当たらなかった。

 ラビの南に対する想いは知っていたけれど、恐らく今そこに疾しい気持ちなんて抱いてない。
 それは不思議と感じることができた。









/ 723ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp