第7章 ♣︎新年会が…
翔side
触れた唇の柔らかさと温度が忘れられなくて、寝ている智くんの唇にキスの雨を降らせる。
もう智くんに夢中だった。
たから、次に控えるニノの存在なんて、すっかり忘れていた。
ゆっくり唇を移動させ、舐めてみた。
その時だった、智くんが
「…ぅ…ん…」
なんて色っぽい声をあげた。
俺は驚いて智くんの顔に目を向けた…けど、眠ったまま。
起きる気配がないのに気を良くした俺は、シャツの裾から手を滑り込ませ、滑らかな肌に直接触れた。
俺はその時になって、漸くニノの存在を思い出した。
「あの~、二宮さん? あなたさっきから一体何をしていらっしやるんでしょうか?」
あろうことか、ニタニタ顔のニノが手にしたスマホが、こっちを見ているじゃないか!
「…ちょっと、いつから撮ってんだよ?」
俺の苦情にも、ニノは手をヒラヒラっとさせ、
「あ、私のことはお気になさらずに、どうぞ続けてください」
って……
「じゃ、お言葉に甘えて…」
なんて出来るかっつーの!