第5章 ♦マイクが…
潤side
ふと横を見ると…
片手にジョッキ、片手にマイクでフワフワしてる大野さん。
あらま、目ェ座っちゃってるじゃないの~
「大野さん、そろそろ帰ろうか?」
「うんにゃ、まらかえらにゃい!」
呂律も回ってないですけど?
大野さんの手からジョッキを取り上げテーブルに置くと、もう片方の手に握られたマイクを取ろうとしたけど…
う~ん、しっかり握っちゃって取れない。
ま、仕方ないか…
「俺、もう少し練習しとくから、大野さんはちょっと寝てな?」
うん、と小さく頷くと、俺の膝に頭を乗せ、畳に寝転がった。
リモコンを手に取り、最近覚えた曲を選択、送信。
指先でリズムを取りながら、うろ覚えのメロディーを歌い始めた…けど…