第20章 ポンパドールscene1
「……髪の毛いたい…」
「ごめん…」
ふたりでベッドにへたり込みながら大野さんがつぶやく。
「おしりもいたい…」
「ごめんって…」
「潤のバカ…」
俺は起き上がって、チェストからヘアピンを取り出した。
若いころ使ってたものだ。
それで大野さんの前髪をポンパドールにする。
「かわいい。智」
「こんなんで許さないからな…」
「だって乱暴にしろっていったの大野さんだよ?」
「だからって痛いことしないでもいいじゃん…」
ほっぺを膨らます。
三十路男がほっぺを膨らましてかわいいなんて…
この人だけだ。
「で、なんでもいうこと聞くっていったよね?大野さん?」
「えっ?」
「聞いてもらうよ?」
大野さんの顔がひくついた。
「お前、えっちの時の約束は、あれだぞ、反則だぞ…」
おしりを押さえながら、大野さんが後退りする。
「約束は約束だよ?」
俺はにっこり笑った。
「じゃあ、夜にね」
それから俺たちは一緒にシャワーをした。
大野さんはずっと怪訝な顔で俺をみていた。
「おしり、もう大丈夫?」
「うん…もう痛くない…」
俺はワクワクしていた。
夜にはお祭りだ。