第2章 海
「いやぁ、莉愛すげぇな。」
私〈達〉は作戦に成功した。
私達を見下していた桜井桜音。あいつを消す作戦。
「それにしても、よく霊の出る洞窟付きの海見つけたね。」
「峰の演技と行動力には負けるよ、桜井マジで信じてたもんな。」
「桜音ちゃんもバカだよねぇ?自分がみんなに嫌われているとも知らずに私をいじめてたんだもん。」
「まぁ、3ヶ月間いじめられっこお疲れ様でした。」
「あはは」
私達は狂ってる。
自分でも自覚してる。
あの桜井桜音がうざったくて仕方なかった。
あいつを消す。
クラスメイト全員がそれしか頭になかった。
そしてそいつを消した。
脳には爽やかさが満ちていた。
横には綺麗な夕焼けと青い海があるんだ。
空と交じらず、海に太陽が写る綺麗な夕焼け。
写真に撮りたい。
と言うより泳ぎたい。
私は作戦のために我慢したんだ。
泳ぎたいな。
「なぁ、峰。もうちょっと海にいねぇか?」
え?
「ほら、今日一度も泳いでないだろ?だからさ…」
「私も莉愛と泳ぐ!」
「私も~」
なんと、皆が私とおんなじことを考えていた。
「お菓子とかはまだちょっと余ってるから、峰莉愛の成功祝賀会を始めますか!」
『「イエーイ!」』
「皆…ありがとう!」
私達は狂ってる。
それがある意味、仲を繋ぐ紐かも知れない。
私達は全員が紐で繋がっている。
独りを除いて、ね?
END