【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ
第4章 イタリア行き
その後、スマホを新しくして、コンビニによって飲み物やおやつも買った。
でも、二人は帰りたくなさそうに次行く場所を考えている。
――どうしてだろう?
「ねぇ、帰らない?」
「えぇー? 邪魔されない時間を楽しもうぜー?」
どちらかと言えば、今邪魔されてるほうなんだけどね。
でも、実際この二人が許嫁と言われたけど、実感は沸かない。
ただイタリアマフィアの人の接待してるって感覚だし。
すると、おそ松さんのスマホが鳴り始めた。
おそ松さんはスマホを見ると、にやりと笑う。
「ほら、これ見てみろよ~」
From親父
---------------------------------------
チョロ松から至急帰るよう連絡があった。
そのままイタリアへ帰るから、○○駅まで迎えに来てくれ。
「あぁー、帰っちゃうんだね。本日は、色々と連れて行ってくれてありがとう」
すると、おそ松さんは私の方を抱き寄せる。
「わかってないねぇ~、君も行くんだよ?」
おそ松さんの言葉に、頭が真っ白になる。
服も下着も荷物も何も準備してないのに!?
それに、家族にだってお別れしてないし、お兄ちゃん達のメアドだって登録してない!!
「ちょ、待ってよ! 私は帰るでしょ?」
「えー、じゃあ聞いてみるけどさぁ~」
その後、すぐにおそ松さんのスマホが鳴る。
「安心しな、グロウリーハートな君の心も、この俺が」
「君も連れて行くってよー」
頭の中が真っ白になった。
もう、一生お兄ちゃんに会えないの……?
嫌だよ、そんなの絶対嫌だよ……。
でも、言っちゃうとまた二人を怒らせるし……。
お父さんが決めた事だし、仕方ない、諦めよう。
「そっか、準備もできないのかぁ」
「君が望むのなら、この俺が全」
「向こうで買えばいいじゃん~? 日本にしか売ってねーもんはネットで買えばいいしさー」
私は、仕方なく「そうだね」と頷いた。
今日一日で、二人がいい人だと分かったし、お兄ちゃんの側に居ても仕方ないし。
――でも、ちょっとだけ寂しい。
次、いつ会えるかな……?
大人しくしとけば、またお兄ちゃんに会えるよね。