【おそ松さん】マフィア松でスパダリ長兄松に溺愛されるだけ
第2章 途切れた連絡手段
スマホが動くか確認した。
すると、いつもの画面が見えたのでほっとした瞬間、
「すまない、今拭くからな」
と言われ、スマホをカラ松さんが手に取った時だ。
カラ松さんが、いきなり私のスマホを真っ二つに折った。
「うわぁぁぁぁぁぁ!!!」
頭が真っ白になり、もう動かなくなったスマホを見つめる。
「後で新しいの買ってやっから」
文句を言おうにも、言葉が出てこない……。
お兄ちゃんの写真がいっぱい、いっぱい入ってた大切なスマホなのに……。
「連絡なんて、俺と兄さんのだけで十分だろう……?」
顔を上げれば、口元だけ笑い、目元は笑ってない二人が立っていた。
その視線だけで殺す目つき。
どんなに、見た目はカタギっぽくても、彼らもやはりこちら側の人間。
「あのさぁ、全ッ然構ってくんないと、俺ら拗ねちゃうよ?」
拗ねるってレベルじゃないと思う。
まぁ、正直お兄ちゃんばっかりで話半分に対応してたのは、悪かったって反省してる。
「ご、ごめんなさい……」
「本っ当に、お兄さん思いだなぁ……?」
でも、思い出してほしい。
私の初恋はお兄ちゃんで、今でもお兄ちゃんに片思い中だって事を。
「――しょうがないでしょ、物心ついた時からずっと片思いしてるんだから」
こうなれば、自棄だ。
どうにでもなればいいし、一途な人がいいなら最初から恋愛してない子にすればいいよ。
「へぇ、なら今後一切連絡禁止。お兄ちゃん離れしような~?」
二人共、表情は怒ってはいるものの、行動には表さない。
それでも、不機嫌オーラは全開だ。
「あのさ、別にお兄ちゃんは好きだし、初恋の人だけど、アイドル崇めてるのと一緒!! お姉ちゃんとの結婚は自分のことにように嬉しかったよ?」
すると、二人は疑るような目つきで見てくる。
「そもそも、本当にお兄ちゃんに恋してるなら、結婚なんて許すわけないでしょ?」
実際の所、あまりにもおにいちゃんの片思い期間が長くて、お兄ちゃんが折れちゃって別な子と付き合っていた事があった。
その時、お姉ちゃんから相談され、二人をくっつけたのはほかならぬ私だから!!
だから、私はアイドルを応援してるだけで、本当の好きとは別物。
乙女ゲーをしている人妻の心理と同じものです、はい。