第2章 女神、再会する
双子神から、「早く早く」と急かされるものの、カラ松はスマホを持ってない。
カラ松「ステイ、マイゴット。俺は生憎スマホを持ってないんだ。弟のトド松から借りないと」
カラ松は、そう言いながらも楽しそうに笑っていた。
ヴィクトワール「やっぱり、探さないとですね」
シャンス「んじゃあ、一旦マスターに聞いてくるから」
そう言うと、シャンスはぽんっと音を立てて消えてしまう。
カラ松「あれ?」
ヴィクトワール「テレポートですよ。神は、兄弟か主の元へ自由に移動できるんです。その変わり、兄弟か主の側から離れることは出来ません。離れると離れるほど、寿命が減るんです」
カラ松「っという事は、俺が動かなければ何処へも行けないのか」
ヴィクトワール「そうですね。はた坊さんは、仕事が多いのでほとんど私の住処の側で暮らしてました」
カラ松「――そうか。俺が、色々な場所へ連れてってやるぜ!」
カラ松は、バーンとでも言いそうな感じで決めポーズを取る。
ヴィクトワールは「痛い」と言いつつも楽しげに笑った。
辺りは、和やかなムードで包まれる。
その時だった。
ぽんっと音を立てて、シャンスが戻ってきた。
シャンス「マスターが不穏な動きしてたから、逃げてきた」
カラ松「不穏な動き?」
ヴィクトワール「あの人、時々人のお尻に旗を刺す癖があるんですよね」
シャンス「俺も刺されそうになって、よく逃げてるんだ」
カラ松の顔が真っ青になっていく。
そして……。
カラ松「逃げるぞ、マイゴット達」
ヴィクトワール「あれ、ご兄弟は?」
カラ松「逃げる方優先だ!!」
シャンス「ま、家に帰れば会えるっしょ」
そういうことで、カラ松一行は兄弟より自分の尻を優先したのであった。