第2章 女神、再会する
シャンス「
幸運というものは、努力しなくてもやってくる。
その為、努力無しで会社を大きくしたはた坊には「何もしてない」という違和感がついてくる。
そのせいで、本人がどんなに努力しても認められず、逆に人が離れていく。
そのせいで、はた坊はお前らや昔なじみ以外に友達ができなかったのさ。
逆に、勝利は努力すれば手に入る。
知らない人間から見たら、努力した成功者にしか見えないし、どれなりに努力してるから人にも認められやすい。
だから、地位と一緒に周りからの信頼も集めやすい。
まっ、簡単に言えば、動くか動かないかの違いだ。
俺ら無しじゃ、動いたって手に入らない物ばかり。
それが、動きさえすれば、確実に手に入るんだ。
儲けものだと思うけどな。
」
一通り話し終わると、カラ松は少し考えるように目をつぶる。
カラ松「具体的に、どんな努力をすればいいんだ?」
ヴィクトワール「そうですね。お金がほしいと思うのであれば、少しの元手を元に、ギャンブルに勤しむのもありかと」
カラ松「へっ、ギャンブルもいいのか?」
シャンス「だから、俺ら双子なんだ、結果は似たようなもの。俺だと、何もしなくても手に入るけど」
すると、カラ松は目を輝かせて、ポケットを漁る。
そして、出てきたのは百五十円。
缶ジュース一本分だ。
シャンス「これで、ギャンブルできるか?」
カラ松「暫く無理だな」
ヴィクトワール「元手のかからない努力にしましょう」
シャンス「例えば?」
ヴィクトワール「知りません。私、長いこと住処で主を待ってたので」
シャンス「俺も、今のマスターが初めてだしなー」
そう、神は人を守護することで、初めて人間の生活を知る。
そうやって人間の生活に密着し、神生を満喫する生き物なのだ。