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8←1→8【KJ∞】

第6章 免許2



村「今日何コマ受けんねん」

「2コマ。実技と座学一つずつ。やから遅くなるで?」

村「2コマごとき遅なるかいな!」

「なるよぉ…」



待ってもらうのあんま得意じゃないんやけどなぁ。自動車学校で時間潰す所はカフェしかないし、カフェでそんな何時間も潰せないと思う。特にこの八重歯、村上信五は。


「なんか本とか持ってきてんのん?」

村「持ってきてへんわ。」

「…ほんならわたしの貸したる…。読んでたら少しは時間潰せるやろ?」


バッグの中を探り、いつも入れてる本をヒナちゃんに渡した。必ず何か本は1冊入れるようにしてる。それかゲーム。


村「どんなやつ?」


言いながら、パラパラと本を開く。


「ミステリーもの。」

村「やっぱりか」

「うん」


基本的にミステリーものを読むことが多い。好きな作家さんはほとんどミステリーものを書く人ばかり。中にはミステリーものから始まっていつの間にかファンタジーもの・恋愛要素を組み込んだものを書いてる人もいるけど。
この人が犯人かなぁとか考えるのが楽しい。根拠がなくとも当たる時があるけどできるだけ自分でもトリックを考えるようにしてる。


村「あ、終わったら飯食いに行くやろ?」

「え!ええの?!」

村「当たり前やん。待ってたのに飯食わずに帰るとか気持ち悪いにもほどあるわ」


ガハハ!というヒナちゃんの笑い声が自動車学校に響いた。

「ちょ、うるさい」と慌ててヒナちゃんにシィ、とするとヒナちゃんも「お、おぉ」とつられて人差し指を口に持っていってシィ、とした。



「ほんなら行ってくるね」


カフェテラスの前でヒナちゃんとわかれて今日受ける1コマ目の座学の教室へと向かった。














座学の方は他の教習生と問題を解きながらキーワードを集めるものだった。



「よろしくおねがいします」

同じ班になった子達と挨拶を交わす。先生が準備を終えるまで少し時間がかかるそうだ。


「あ、あの、関ジャニ∞の…」

向かい合わせに座る女の子がモジモジしながら声をかけてきた。
変装はしてないから分かる人には蒼生霄だって分かると思う。多分。

「知ってくれてるんですか?」

まだ街中とかで声をかけられることは少ないから新鮮。



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