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【おそ松さんR18】君がため

第31章 僕を選んで《トド松END》




Side トド松


図書館で十四松兄さんと一緒にさくらちゃんを襲ってしまった日から、僕はずっと後悔していた。


あのときは、さくらちゃんが一松兄さんと付き合い出したって聞いて、いてもたってもいられなかった。

幸せそうに寄り添って本を読むふたりを見たら、ますます腹が立った。


だって、ふたりは、すごくお似合いだったから……

ここにお前が入る隙間はない、って言われてる気分で、

それで、カッとなってあんなことをしてしまった。


自分で言うのもなんだけど、僕は、とても嫉妬深い。

前にも、さくらちゃんが首にキスマークをつけていたとき、嫉妬して首を絞めてしまった。

あのときだって、あんなに後悔して、反省したのに……

僕は、また、同じことを繰り返してしまった。



あのときの、さくらちゃんの怯えた表情が脳裏から離れない。


さくらちゃん……僕のこと怖がってたよね。

僕のこと、嫌いになったよね。


1回目に僕があやまちを犯したときも、さくらちゃんは優しく「気にしないで」って言ってくれたのに……

それなのに、僕は……


カラ松「どうしたんだ、トド松?」


ふと、カラ松兄さんの声で我に返る。


いけない。ぼーっとしてた…

せっかくカラ松兄さんと釣りに来てるのに。


トド松「ううん。カラ松兄さんは今日もイタいなーって思ってただけだよ」

カラ松「えっ、俺はまたおまえのことを傷つけてしまったのか!? どこが痛むんだ? すぐに手当を…」

トド松「……はあ、ばっかじゃないの。そういうとこがイタいって言ってんの」


ほんと……頭がからっぽのどうしようもない兄さんだ。

さくらちゃんは、こんな人のどこを好きになったんだろう?


ふと、考えてみる。


まず、悔しいけど、カラ松兄さんは黙っていればかっこいい。その証拠に、高校時代は、校内で1番2番を争うほど女の子から人気があった。

次に、優しい。いつだって他人のことを気遣って、他人のために行動する。

それから、素で女の子がドキッとするようなことをする。つまり、無自覚タラシだ。


考えてみると、意外とすらすら出てくることに気付く。

……なーんだ、やっぱりカラ松兄さんってさくらちゃんが好きになるだけある人なのかも。



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