第1章 入学と出会いとあの日
(待て待て。早まるな私。
〝名前で呼ばれる”のが好きってことだよね。
危ない危ない。勘違いするところだった!)
月島兄の言葉で顔は真っ赤になって、そんな私を優しく見守る月島兄の撫でる手は止まらず、ここはカオスですか。
しかも遠くから見てくる蛍とゆうちゃんはポカーンとした表情。
変に思われてないかな…大丈夫かな…。。
月島side
兄貴と話して頭を撫でられて頬を染めるの可愛い顔に胸がモヤモヤした。
兄貴相手だとこんな顔するんだ…
結局僕は兄貴には勝てないんだ。
心が黒い想いで包まれていると隣のチビがワーワー騒ぐ。
「なんだ!〝俺の”に!!あいつちょっと大人だからって許さねぇ!」
「は?なんで〝君の”なわけ?ただのいとこのくせに。」
「はっはーん。お前そりゃあ俺たちは小さい時からずっと一緒で、将来結婚するんだから当たり前だろ!」
チビが結婚とか言っている。多分コイツが騒いでに詰め寄って理解していないが返事したんだろ。
でもなんかムカつく。〝ずっと一緒”って。
そりゃあ僕なんてこの間会ったばかりだけど。とは沢山話しているし。
でも、でも。それでも兄貴をは選んでしまった。
なんかムシャクシャしてきた。
こいつバカっぽいし。嘘言っても多分信じるかも…。
「でもいとこ同士って結婚できないんでしょ?可哀そうに。」
「え……。うそだろ?そうなのか??俺…知らなかった。。」
そんな僕の真っ黒な嘘に心底衝撃を受けたような顔をしたチビに対して罪悪感がチクリとした。
でも嘘だよって言ったらまたコイツは僕の知らないところでに結婚って言い続けるんだろう。
そう思うと僕は訂正する気にならなかった。
「2人共!ちょっと来て!」
そんな兄貴の声に、沈んだ心のままの僕とチビは2人で兄貴のところに向かう。
目を少し向けるとまだ頬を染めたと目が合った。
途端に目を背けて更に赤くなったに更に苛立ちが増した。
そんな中、爽やかに笑う兄貴から切り出された話は僕が一番恐れていた話だった。