第1章 プロローグ
「千夜〜」
私の名前を呼ぶ声で私は目を覚ます。
時計を見れば午後17時。
友達の莉奈を待っている間に寝てしまってたらしい。
「ごめんごめん」
私は帰る準備をする。
そして、教室をあとにする。
私は、桜丘高校の3年生で、莉奈とは中学校の頃からの付き合い。
そして、電車で1時間かけて家に帰る。
家の周りは田んぼばかりだけど、学校は割と都会の方で過ごしやすい街並みだった。
いつものように、莉奈と12分かけて桜丘駅まで歩く。
そして、いつもと同じ時間の5時34分の電車に乗る。
電車は1時間に1本程度で、乗り遅れた6時50分しかなくなってしまう。
割と不便だよね。田舎って。
だけれども、こんな不便な生活はあと2ヶ月でお終い。
なんてったって、来年からは大学生。
一人暮らしを始めます。
同じマンションには莉奈も暮らす予定で、大学は違うところだけど全然寂しくなんてない。