第28章 こんなこと前もあったよね
「緑間っち高尾っちー!何やってんスかー!」
「む、お前たち、なぜいるのだよ」
「買い出しをしながら緑間君たちの方に向かってたところです」
「いやー火神と青峰来たしそっち向かおうとしたらな?
真ちゃんがあの虹色のローラースケーター欲しいつってさー」
「虹色のローラースケーターって…すごいね」
「2等じゃぜってー当たんねえって言ってんだけどな」
「確かにこの中から2等はなかなか当たらなそうだね…」
『…征十郎』
「言われると思ったよ」
巾着から小銭を取り出す彼はそのまま店主にそれを渡し、くじを引き始める
7等まであるうち2等は2つだけらしく、どのくらいの確率なのかと考えながら彼が引いたくじを開くのを横から覗き見ると、2等とは違う文字が見えた
「特賞だ」
『だからー!だからー!!』
「…いきなり特賞当てるなんてさすが赤司君ですね」
『…昔もこんな感じだったよ』
「特賞って何なのー?」
「荷物にならないものがいいね」
「わ!ワイヤレスイヤホンっスよ!しかも音質いいやつ」
「食べ物じゃないならいいやー」
「名前、いるかい?」
『自分で使いなよ』
「そうっスよ!電話の時とか便利っスよー!」
「じゃあ名前と電話するとき使おうか」
『あー…そうね。そうしなよ。もう1回引いてみて』
小さな箱を受け取った彼は店主に代金を払いもう1度くじを引き始める
今度こそ2等が出るかと赤司の開いたくじを見ると、またも目当ての数字とは違う数が刻まれていた