第28章 こんなこと前もあったよね
待ち合わせ場所に到着すると同じように誰かを待っている人がたくさんいたが、2mを超えかつ何かを食べている紫原のおかげで彼らがどこにいるのかはすぐわかった
『ごめん!お待たせー!』
「名前ちゃん!」
「赤ちんと名前ちんがビリなのは珍しいね~」
「たまにはいいだろう」
『何食べてるの紫原』
「チーズドッグ」
『めっちゃチーズ伸びてるね』
「名前っちと桃っち浴衣色違いなんスか!?可愛いっスね!」
「えへ、名前ちゃんが選んでくれたんだー」
『いいでしょ』
「よく似合ってるよ」
苗字が赤司に撮ってくれとスマホを渡し桃井とのツーショットを撮ってもらっていると、黒子が少し不安そうな瞳でこちらを見ていることに気が付く
同じくその視線に気がついている赤司が撮り終えてから彼の方を向くと「大したことじゃないんですけど」と彼は口を開いた
「遅れた理由、何かあったんですか?」
『いや雪さんによる征十郎との撮影会が始まっちゃって』
「…なんとなく想像つきます。事件とかに巻き込まれてないなら良かったです」
「心配させてすまないね」
「オレも名前っちと写真撮りたいっス!」
『撮影料とるよ』
「なんで桃っちと赤司っちはいいのにオレだけ金取るんスか!」
『稼いでるから?』
「もーモデルの仕事ほとんどやっていないっスし…それならみんなで撮るからいいっスもん!」
それならしょうがないかと口を噤むが、場所取りに高尾と緑間が行っているため全員は揃っていないはずだと周りを見るともう2人ほど人数が足りないことに気が付いた