第4章 目覚めた彼女
『飲み物とりあえずりんごとみかん注いだんで、好きな方取ってください』
「火神のお菓子食ってもいい!?」
『はい。どうぞ』
ローテーブルに紙コップを置いた彼女はベッドの出し入れ可能の机を出して、そこにお菓子を置いた
次々と取っていく彼らを見ながら苗字はニコニコと笑みを浮かべていて、全員が取り終わった事を確認すると彼女は自分の分にとマカロンを1つ手に取って、口に入れた
『あ、美味しい』
「相変わらず火神は料理がうまいなぁ」
「あ、マジだうめぇ」
「おい灰崎ちゃんといただきます言ったか?」
「いでぇ、いで、いただきます!!」
「いただきましただろ」
「いいただきました!!」
みな口を揃えて美味しいと言ってる事に火神は少し恥ずかしいのか頭をポリポリと掻いてから「どうも」と言っていた
その中で黒子が少し遅れてクッキーを食べると、彼は何か言いたいことがあるのか火神の方を向いた
「火神君」
「あ?なんだよ」
「大学入学前の課題終わってるんですか?」
彼からの質問を受けた火神は「う…」と顔色を悪くして、伊月は「なんだよまた分からないのか?」と彼に問い掛けた
すると火神は「べつにちょっと理解できねーだけっすよ!!」と返して、その様子を見た苗字がクスクスと笑っていた
『今度来る時持っておいでよ、教えてあげるから』
「は?」
『どーせ暇なんだもん、暇ならおいでよ。もちろん黒子君も、ね?』
そうニコニコと笑う彼女は心からそう思っているようで、早く彼女が退院しないのかと彼らはみな同じ事を考えいた
それを聞いた火神は「じゃあ今度また違う菓子作って課題も持ってくるわ」と返して、苗字はそれに「うん!」と笑顔で返した
「火神お前いい加減勉強できるようになれよー」
「いくらなんでもムリなもんはムリだ」
火神の返答にはみながまた笑い出し、明るい雰囲気に部屋が包まれた
だがその空間の中、黒子が少し違和感を抱いていた