• テキストサイズ

【嵐小説】嵐色〜甘い味〜

第11章 雨の味


「ねぇ、智…」


「どうしたの?」


ねだるような声を出してさ。


「抱き着きたい…いい?」


「珍しいね、雅紀がそういうこと聞くなんて」


いつもはそんなこと聞かずに甘えて来るのに。


「だって…コンサートのあとじゃん?

疲れてるのに無理させたくないなぁ、って…」


気まずそうに言った。


「ふふ、疲れてるのはお互い様でしょ?

でも俺は雅紀に甘えられた方が疲れが吹っ飛ぶんだけど」


グラスを傾けながら言う。


「じゃあ抱き着く!」


ギュッと力強く腰に腕を回した。


「あ…。

智の匂いいつもと違うね。

これが雨の匂いなの?」


首筋に顔を埋め、スンスンと鼻を鳴らしている。
/ 105ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp