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【イケメン戦国】私と猫と

第28章 桜の咲く頃  四幕(十二歳)


『湖に言伝を頼まれてくれるか』

登竜桜からの伝言
春日山城の広間に呼ばれた湖は謙信からその話を聞くと、むずかしいという表情を見せた
明らかに理解していないのは、側で見ている武将達にも白粉にもわかる

「…わかった。よくわかんないけど、一応わかった…と思う」
「わかってねーな」

幸村の指が湖の額を弾く

「った。痛いよ、一応、わかったもんっ!湖も大人になるから、鈴も同じで、鈴は「はつじょうき?」があるから注意しなさいっ言われたんでしょ。でも、私「はつじょうき」って三成くんに前に教えてもらったけど…私は、なったこと無いから、よく解んないのっ」
「それは、「わかってない」つーんだ!」

「発情期」それに覚えがあるのは、幸村、佐助、謙信の三人だ
信玄は、話だけは耳にしていた

「あー…湖さんにはまだ早い話じゃないかな…」

佐助は以前の事を思い出しながら困ったように「どうどう」と幸村を落ち着かせながら湖を見る
あの時、佐助はそうなっている湖を見て身動き出来なくなったのだ
(この歳であぁなっても…いや、未発達ゆえに恐ろしいものがあるのか…?どちらにせよ、湖さんはそうならなくともキケンだな)

「佐助、土地神がそう言ったのならいつそうなってもおかしく無い状況なんだろう…それは、どうにかならないのか?白粉」
「…おかか様に相談してはみるが…なんとも言えんな。そもそも私からすれば、人が発情期が無いことの方がおかしな話なのだ。以前、石田三成も湖に言い聞かせていたようだが…動物は、子を成す時期が決まっているものだし、それに対して罪悪感等も持たない」

信玄に振られた白粉は「猫」と「人」の違いに「私はなんとも言えない」と答えるだけだ

「…なら、白粉は湖がその辺の男とそうなっても良いと」
「首を刈る」

ザワリと部屋の空気が変わる

(おいおい…罪悪感がないと言ったのはお前だろう…)

信玄すら、それに眉を潜めるような妖気だ

「かかさま、顔怖くなってるよ…」

そんな中、湖はその気配に気づきもしないのか白粉を覗き見てるのだ
しゅっと空気が切り替われば、側に居た兼続と幸村が手を畳についた
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