第2章 プロローグ
暗く深い森の奥。
そこには「全動物のおさ」にあたる、ドラゴンが住んでいた。
人々の間でも、最も神に近い生き物とされてきた。
しかし、ドラゴンは、人類と関わることを拒んだ。
ドラゴンだけが持つ、特別な力に魅せられた人々が、捕まえようとしたからだ。
だが、ある時、交わるはずのなかった人とドラゴンが恋に落ちた。
ひどい怪我をおった1人の男を、1匹のドラゴンが助けたのだ。
2人のあいだには、子供もできた。
幸せな日々だった。
しかし、ドラゴンの寿命が終わりに近づいていた。
もう、180年(普通は150〜200)も生きていたのだ。
…そして、死ぬ間際、ドラゴンは男に言った。
「その子は、流星街においてきてやってくれ…。お前も体が弱いことは自覚しておろう?…最後のお願いだ。……私は、お前とこの子に恵まれて、幸せものだな。人の…人の暖かさを知ることができた。……ありがとう。」
そう、言葉を残して、ドラゴンは覚めない眠りについたのだった。
その後、ドラゴンと人の血を受け継いだ、まだ言葉も分からない1人の女の子は、流星街に行くことになった…。
今、この少女の物語が始まろうとしていた。