第1章 ☆徳川家康☆ ~幸福な道~ /連載中
『まずは、構えから』
『はい』
- 何その立ち方。あんた 箸より重いもの持ったことあるの?
たまらず、綾の後方へ周り腕をあげ肩を張りひじを内側へむける
こんなにも綾へ近づいたことがなかったから改めてその小ささに驚く。
うでは細く、首筋も身体つき全体が華奢でいまにも壊れそうだ・・・
綾の後ろから話かけると肩が少し震えている。
『あんたは産まれたての小鹿かなにか? なんで震えてるの』
そう、言うと思わぬ反論の声が聞こえた。
『それは・・・家康さんが・・・
『俺がなに』
『顔、近くて慣れないだけです////』
『・・・妙な言いぐさやめてくれる?あんたが稽古つけてっていたんでしょ』
『わかってます。ちょっとまってください、きっとすぐ慣れるので』
『・・・何かそれはそれで心外なんだけど』
鼓動が激しく鳴っているのを悟られたくなくておれは次に触れる手を少し躊躇してしまった。
- この人は・・・本当に天然で側にいたら・・・もっと苦しくなる