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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



プロポーズをしてからは
物事が一気に動き出した。

お互いの両親に挨拶をして、
指輪は、二人で一緒に買いに行った。
略式だけど結納もして、

家族の意見も聞きながら
結婚式と披露宴の日取りを決める。

そして。

『おめでとうございます、
夜久もりすけ様、夏希様。』

『やめろよー、気持ちワリイ!』

『なーんでよ。だってお客様、でしょ!』

…いよいよ、
担当プランナーの早瀬との顔合わせ。

…顔合わせ、って、おかしいか。
毎日、顔合わせてるし。
夏希だって知り合いだし。

それでも、
こうして机を挟んで向かい合うと、
俺は新郎、夏希は新婦、
そして早瀬は、プランナー。

これから10ヶ月かけて、
俺たちの大事な1日を作り上げていく。

あの日…夏希にプロポーズする前の日、
ガーデンでキャンドルを片付けながら
早瀬に言った『一生の頼み』。

それは、
結婚式を作り上げていく過程を、
丁寧に、夏希に体験させてほしい、
ということだった。

本当だったら、
裏方である俺達が
新郎新婦には見えないところで
段取りすることもたくさんある。

でも夏希には、
そこの部分も見てほしかった。

俺たちがどんな気持ちで
新郎新婦のために動いているのか。

その1日のために、
それぞれの分野のプロが
どれだけ携わっているのか。

そして、俺もその一員であり、

それぞれがどんな気持ちで
1日を作り上げているのか。

ちゃんと伝われば、
きっと夏希は俺を応援してくれる。

俺達自身の結婚式は
それを夏希に分かってもらうための
唯一のチャンスだと思ったから。


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