第117章 シルバーアクセサリーは温泉で黒くなる。
そして土方は冷静さを取り戻して更に言葉を付け加える。
土方「ああ、硫黄で錆びちまうか。」
温泉にシルバーアクセサリーは禁物。銀が硫化と科学反応を起こして黒くなってしまうのだ。
大事なアクセサリーを外している事に違和感を感じたのだが、温泉という事で土方は一人納得した。
だが葵咲は少し寂しそうな表情を浮かべて首を横に振る。
葵咲「…あれ、なくしたの。」
土方「! 遺失届は出したのか?場所が分かってんなら俺も探しに…」
以前、葵咲は稽古中にも大切そうにネックレスを身に着けていた。(雪月花 第15訓 参照)
普段から地味な装いをしている葵咲。故にアクセサリーを付けている事が印象的だった為に鮮明に覚えている。
そんな大切な物を無くしたのなら自分も助力を。そう思い 言葉を返すが、葵咲は深く俯いて首を横に振る。
葵咲「いいの。あれは…もういいの。」
土方「え?」
葵咲「正確には、あれは“大切だったもの”。今は…違うから。」
土方「・・・・・。」
それがどういうモノなのか、なんとなく土方は事情を察する。それ故言葉を失い、その場にまた沈黙が降りた。
だが今度の沈黙を破るのは葵咲。葵咲は左手に着けていたブレスレットに触れながら穏やかな微笑を浮かべる。
葵咲「今の私には必要ないもの。それに今は…私には“これ”があるから。」
土方「!」
それは前に土方と二人で縁日に行った際に、土方が葵咲へと買ってくれたビーズのブレスレット。決して高価な物ではない。なのに今もなお大切に着けてくれている事に土方は目を丸くする。
土方「・・・・・。」
そして次の瞬間、土方は葵咲の腕をぐいっと引き、自分の方へと引き寄せて唇を重ねた。
葵咲「!?」
第百十八訓へ続く
- 次回予告 -
思わず手が出てしまった土方!
そんな土方に葵咲は??
次回!二人の想いが通じ合う!?
そして満月の夜を見上げる将軍。
そんな彼に葵咲は話し掛け
交わす会話は葵咲の過去?
葵咲と土方の恋の行方はいかに!
おた~の~し~みに~~~♪♪♪٩(๑>∀<๑)و♡