第6章 新しいワタシ
なぜだ、、?
私は混乱している。
私だけじゃなくてグレンも混乱していた。
「危なかった〜。目の前に君がいなかったら僕はこの子に刺されてたよ〜」
そう言いながら特徴的な笑い声で笑う。
要するに、目の前にいたグレンを盾にしたってことであふ。
私は一瞬の出来事で全く気付かずグレンを刺してしまった。
貫通している。
この傷の深さでグレンは助かるのか?
私が自らの手で恩人を殺してしまうなんて。
「お前、みやびだ、、ろ、?なんだ、髪、、、伸びた、な。生き、、ててよ、、、かったよ。俺、、のことは、、、構わ、ず早くこの、、、槍を、抜け。そし、、て戦、え、、、」
苦しみながらもグレンは言う。
1ヶ月でこんなに髪が伸びるわけない。
私は自分の髪の変化に気付くべきだった。
もう私は私でない。
刺さっている場所は右脇腹。
貫通しているこの槍を抜けばもっと多くの血が出るに違いない。そんなことできるはずない。
今までの私なら無理ですと泣き叫んで、多くの人を困らせただろう。
だけど、私は変わってしまった。
ついさっきまで、動揺し混乱しあたふたしていた私だが、そんな感情一切なく、なんの躊躇なく槍を一気に抜いた。
ぐはあぁぁ!!!
グレンの脇腹から血がドバドバとでて、苦しんでいるグレンなど私は一切触れず、見らず。
血の付いた槍をフェリドに向け、
「次はお前を刺す」
宣戦布告。
フェリドは、また特徴的で不気味な笑い声で笑う。
「君は面白いねぇ。でも、殺してしまったらミカくんに怒られちゃうかなぁ」