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My important place【D.Gray-man】

第25章 ノア メモリー



 確かに気休め程度かもしれないけれど、さっきまでラビが身に付けてたから割とあったかい。
 ラビもこういう優しさ時々あるよね。
 スマートに行動するアレンとはまた違った、ラビらしい優しさ。


「てか腹減ったさ…」


 それも束の間、お腹を押さえてしくしくと肩を落とす。
 …うん、このイマイチ決まらないところもラビらしいと思う。

 でも確かにもうこんな時間だし。
 気を張って探索していれば体力も消耗する。


「携帯食ならあるよ。食べる?」

「まじでっ食う!」

「チャオジーは?」


 荷物から取り出したバー状の携帯食をラビに渡しながら見れば、その目はしげしげと私を見ていた。


「雪さんの荷物って、なんでも入ってるんスね」


 まるで子供のような褒め言葉に、つい笑いが零れる。


「何それ」

「だって、さっきから色々出てくるから。灯り作りの時もそうでしたし」

「こんなの普通だよ」

「そーさ? でも雪の荷物って、他のファインダーの物よりでかい気が…重っ!」


 エナジーバーを齧りながら、片手で荷物を持ち上げようとしたラビが声を上げる。
 予想より重かったのかな。


「何入ってるんさ、これ」

「サバイバル道具かな」

「サバイバルって。野宿する訳でもねぇのに」

「色々だよ。いざって時にあった方がね。神田に頭叩かれなくて済むから」

「……」

「その同情の目やめて下さい」


 何気なく言えば、心底哀れみを含んだ目を向けられた。


「本当ユウはスパルタだよなー」

「ある意味、神田専用の荷物みたいなものかな」


 おかげで、神田相手の雑用は手馴れたけど。

 神田本人は六幻と最低限の物しか、普段身につけていかないから。
 いつの間にか神田の分まで考えて荷造りするようになったっけ。


「それだけ神田先輩と雪さんは仲良いってことなんスね」

「はい?」


 突拍子もないチャオジーの相槌に、思わず声が上がる。
 なんでそういう結論になるんだろう。


「マオサさん達が言ってましたよ。神田先輩と雪さんはバディみたいなもんだって」

「バディって…ある意味そうかもしれないけど」


 でも好きで組んでるんじゃなくて、組まされてるだけだからね。
 コムイ室長に。

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