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My important place【D.Gray-man】

第25章 ノア メモリー



「誰かいるのかな…」

「下水から出てきた鼠かなんかじゃねぇさ?」

「それなら足跡ができるはずでしょ」


 私の横にぴったりとついて、しっかりとその手がファインダーのマントを握ってくる。
 空いた片手は、しっかりと小型の鉄槌が入ったホルダーに伸びたまま。
 うん、怖いんだねラビ。


「雪、怖くねぇの?」

「怖いのは怖いんだけど…」


 目の前のチャオジーの背中を見る。





『ビビってんじゃねぇよ。さっさと来い』





 迷わず先を進みゆく様は、あの高い背丈を思い出させた。


「チャオジーを見てると、なんだか神田を思い出すなって」

「えっ! 本当っスか!」


 それに嬉しそうに反応したのはチャオジー本人だった。


「俺、神田先輩みたいっスか?」

「うん。その心霊に強いところとか」

「へーっなんか嬉しいっス!」


 にこにこと満面の笑みを浮かべるチャオジーに、つられて笑う。
 チャオジーは神田と同じティエドール元帥の部隊所属になったから、先輩として神田を尊敬してるんだろう。


「任務中の神田先輩って、どんな人なんスか? 雪さん、神田先輩とよく一緒に任務に出てるって、キエさん達が」


 あ、そっか。キエさんとマオサさんはチャオジーの元サポーター仲間だったっけ。


「そうだねー。任務中はすんごく厳しいよ。普段も厳しいけど。任務遂行の為なら手段を選ばない鬼みたいな感じ」

「すげー言い草さな、雪…」

「だって本当のことだし」

「それだけ仕事真面目ってことっスね!」

「良く言えばね」


 どうやらチャオジーには神田尊敬フィルターがかかってるみたいだ。
 まぁでもゴズといい、そうやって神田のことを慕ってくれる人がいるのは嬉しいことだけど。
 それだけ神田のことを見てくれてるってことだから。
 そう思うと、つい頬が緩む。

 ふと何か視線のようなものを感じて、顔を向ければこっちを見てくる翡翠色の目と重なった。


「何?」

「…いんや」


 問えば、あっさりと視線を外される。
 なんだろう。

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