My important place【D.Gray-man】
第48章 フェイク・ラバー
ぐちゅりと濡れそぼる卑猥な音。
じんと熱さを増す体の芯。
シーツに突っ伏し肌を戦慄かせながら、雪は自身が絶頂したことを悟った。
(挿入って、る?)
予感も予兆もなかった。
後ろから雪の燻る熱の中心を貫いていたのは、同じに熱く猛った神田自身。
ティキから執拗な前戯を受けた時には、欲しくても貰えなかったもの。
それが当然のように雪の中に収まっている。
愛撫などされていない膣内は、しかし痛みもなく神田を受け入れた。
薬の効果が持続していれば痛みも快楽に変わるが、今の雪にそんな思考を回す余裕もない。
「ん、あっ!」
衝撃はそれで終わらなかった。
立て続けに律動を始めた神田のもので、ずくずくに熱く蕩けた膣内を掻き乱される。
「待っ、ひぁっあッ」
爪が白くなる程に強くシーツを掴み、突っ伏した顔が律動に合わせて揺れる。
抵抗しようとするもそれもまま成らず、突き上げられる度に大きな快楽の波が雪を襲った。
まるで津波のように、残った理性を押し流していこうとする。
生理的な涙が溢れた。
「んん"っ」
それでも僅かに残った思考で、自分の口を押さえ付けた。
階は違えど、同じホテル内にリナリー達がいるのだ。
こんな所を見られでもしたら。
(絶対、嫌…!)
愛を確かめ合う行為ではない。
無理矢理に抱かれていると言うのに、いつも以上に嬌声は漏れ、触れられてもいない秘部は熱く濡れる。
浅ましく喘ぎ感じる自分は、ただの雌のようだ。
普段無口な神田は、行為の際には珍しく饒舌になる。
しかし欲を持つ言葉一つさえ口にせず、無言で雪を犯し続けた。
ギシギシとベッドが行為に合わせて軋む。
二度目の絶頂はすぐに訪れ、仰け反る雪の肩に荒い神田の息が掛かる。
「くぅ、ん"ッ!」
鋭い痛みが鎖骨に走った。
噛み付かれたのだと悟る前に、痛みは尚も雪の体を高みへと押し上げる。
口を押さえたまま、びくびくと絶頂の余韻を続ける体。
そこに抱擁もなく、神田は血が滲む程に強く肌に歯を立てた。