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My important place【D.Gray-man】

第45章 10/31Halloween(番外編)



その甘さを舌でも味わうかの如く。
律動を繰り返しながら深く唇を重ねれば、交わる舌先。



「ん、んぅ…ッ」

「っ!」



しかし深く味わい尽くす前に、チリッと小さな痛みが走る。
反射で唇を離せば、神田の口の中にじんわりと鉄の味が広がった。



「ぁ…ごめん…ッ」



はっとした顔で雪が謝罪の言葉を漏らす。
その口の隙間から見えるは、鋭い犬歯。
どうやら獣としての牙が、勢いに乗せて神田の舌を傷付けてしまったらしい。



「ご、ごめんユウ…ッ痛かったっ?」

「これくらい平気だ。すぐ治る」

「でも…っ」

「平気だから、気にするな」

「あ…っ?」



様子を伺おうとする雪から背けるように、片手で口元を隠して逸らす。
それでも顔を近付けてくる雪に、止まっていた腰を揺らして意識を逸らせた。
咥内に広がる血の味と香り。
くらりと、一瞬神田の思考が揺れる。



(チッ)



入り混じる二つの欲。
今ここで生まれ出た欲に身を落としてしまえば、見境がなくなる気がする。
それだけは回避しなければと、己の意識も逸らすように神田は腰を打ち付けた。



「ひゃう…ッは、ンッ激し…ッ!」

「は…っ今はこっちに集中してろッ」



先程よりも深く激しく、雪の中を陰茎で掻き回す。
忽ち快楽へと溺れる雪の姿に、またくらりと思考は揺れた。



「ふぁッユウ…ッ」

「っ(クソ…ッ)」



ただひたすらに目の前の体を貪ることだけを考える。
しかし雪の甘美な様を意識すればする程、脳天を貫くように響く欲。
喉の粘膜が張り付くように渇く。
黒曜石のように黒い瞳が一瞬、紅く揺らめいた。



「あ、んンッはッ」



しかし快楽に溺れている雪は気付いていない。
体を揺さぶられながら、蜜部をきゅうきゅうと締め付ける。
待ち望んだ快感に、体の熱は早急に高みへと昇っていった。



「ぁッまた、いっちゃ…ッんぁ、あ…ッ!」

「ッ…!」



強く縋り付いてくる柔らかい肌。
その体を抱きしめ返しながら、戦慄く蜜部の収縮に耐えつつ脳天を貫く欲からも耐え抜く。

ドクリドクリと、自身の血が沸騰しているような感覚。
歯を食い縛りひたすらに神田は耐えた。



喉が、渇く。

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